伝道者の書 1 – Japanese Contemporary Bible JCB

Japanese Contemporary Bible

伝道者の書 1:1-18

1

すべてがむなしい

1ダビデ王の子で、エルサレムの王であり、「伝道者」と呼ばれたソロモンの教え。

2思うに、この世に価値のあるものなどない。

すべてがむなしい。

3-7人はあくせく働いた報酬として、

何を手に入れるというのか。

一つの時代が去り、新しい時代が来るが、

少しも変わらない。

太陽は昇っては沈み、また昇ろうと、

急ぎ元の所に帰って行く。

風は南に吹き、北に吹き、あちこち向きを変えるが、

結局行き着く所はない。

川は海に注ぐが、

海は決してあふれることはない。

水は再び川に戻り、また海に流れて行く。

8-11何もかも、くり返すばかりで、

あきあきする。

どれだけ見ていても満足できない。

どれだけ聞いても、

もうこれで良いということはない。

歴史はくり返すだけ。

ほんとうに新しいものなど何もない。

新しいように見えても、必ず前例があるか、すでに言い古されたものです。何か、「これは新しいものだ」と指摘できるものがあるでしょうか。それがずっと昔になかったと、どうしてわかるのですか。私たちは、先の時代にどんなことが起こったのか忘れてしまいます。そればかりか、のちの時代になれば、私たちが今していることを、だれも覚えていないのです。

知恵はむなしい

12-15伝道者である私はイスラエルの王で、エルサレムに住んでいました。私はこの世のあらゆることを理解しようと、全力を注ぎました。その結果、神が人間への分け前としてお与えになったものは、決して楽しいものでないことがわかりました。それはみな愚かに見え、風を追うようにむなしいものです。

間違ってしまったことは、もう正せない。

あったかもしれないものを考えてみたところで、

何の役に立とうか。

16-18私は自分に言い聞かせました。「私はこれまでのエルサレムのどの王より、いろんな勉強もした。どの王より知恵や知識を得た。」私は賢くなろうと、一生懸命に努力しました。しかし、今ではそんな努力さえ、風をつかまえるようにむなしいことだとわかったのです。

賢くなればなるほど、悲しみも増える。

知識を増すことは、悩みを増す。