マタイの福音書 17:14-27, マタイの福音書 18:1-9 JCB

マタイの福音書 17:14-27

山を降りたイエス

彼らがふもとに着くと、大ぜいの群衆が待ちかまえていました。その時、一人の男が駆け寄り、イエスの前にひざまずいて叫びました。 「先生。息子をあわれと思ってお助けください。ひどいてんかん持ちで、火の中でも水の中でも、おかまいなしに倒れるのです。 それで、お弟子さんたちのところに連れて来てお願いしたのですが、だめでした。」

「ああ、なんと不信仰な人たちでしょう。いったいいつまで、あなたがたのことを我慢しなければならないのですか。さあ、その子をここに連れて来なさい。」 イエスがこう言って、その子に取りついている悪霊をおしかりになると、悪霊は出て行き、子どもはその場ですっかり治ってしまいました。

あとで弟子たちは、そっとイエスに尋ねました。「どうして、私たちには悪霊が追い出せなかったのでしょう。」

イエスはお答えになりました。「信仰が足りないからです。もしあなたがたに小さなからし種ほどの信仰があったら、この山に向かって『動け』と言えば、そのとおり山は動くのです。何でもできないことはありません。 ただし、こういった悪霊は、祈りと断食によらなければ、とても追い出せないのです。」

まだガリラヤにいたある日のこと、イエスはこんなことをお話しになりました。「わたしは裏切られ、人々の手に引き渡され、殺されますが、三日目には必ず復活します。」これを聞いて、弟子たちの心は悲しみと恐れとで、いっぱいになりました。

カペナウムに着いた時、神殿に納める税金を取り立てる役人がペテロのところへ来て、「あなたがたの先生は税金を納めないのか」と尋ねました。

「もちろん、納めますとも。」こう答えると、ペテロは急いで家に入り、このことを話そうとしました。ところがまだ話を切り出さないうちに、イエスのほうからお尋ねになりました。「ペテロ。あなたはどう思いますか。世の王たちは、だれから税を取り立てるでしょうか。自分の子どもたちからですか、それとも、ほかの人たちからですか。」

「ほかの人たちからです」とペテロは答えました。「では、王の子どもたちは税金を納める必要はないのです。 しかし、役人たちを怒らせたくはありません。今から湖へ行って、つり糸をたらしてみなさい。最初につれた魚の口から、わたしたち二人分の税金を払うだけのお金が見つかるはずです。それで払いなさい。」

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マタイの福音書 18:1-9

18

小さい子どものように

そこへ弟子たちがやって来て、「私たちのうち、だれが天国で一番偉いのでしょうか」と尋ねました。

するとイエスは、近くにいた小さい子どもを呼び寄せ、みんなの真ん中に立たせてから、話しだされました。

「よく聞きなさい。悔い改めて神に立ち返り、この小さい子どもたちのようにならなければ、決して天国には入れません。 ですから、小さい子どものように自分を低くする者が、天国では一番偉いのです。 また、だれでもこの小さい者たちを、わたしのために受け入れる者は、わたしを受け入れるのです。 反対に、わたしに頼りきっているこの子どもたちの信仰を失わせるような者は、首に大きな石をくくりつけられて海に投げ込まれたほうが、よっぽどましです。

悪がはびこるこの世はいまわしいものです。誘惑されるのは避けられないとしても、誘惑のもとになる人はいまわしいものです。 罪を犯させるものは、手だろうが足だろうが、切り取ってしまいなさい。五体満足で地獄へ行くより、片手片足になっても天国に入るほうが、よっぽどましです。 また、目が罪を犯させるなら、そんなものはえぐり出しなさい。両眼そろって地獄へ行くより、片目でも天国に入るほうが、よっぽどましだからです。

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