マルコの福音書 8:14-38, マルコの福音書 9:1 JCB

マルコの福音書 8:14-38

ところが、弟子たちが出発前に食べ物を用意するのをうっかり忘れたので、舟の中にある食べ物といえば、一かたまりのパンだけでした。

舟の中で、イエスは弟子たちに、厳粛な表情で、「ヘロデ王とパリサイ人たちのパン種(彼らの誤った教えと偽善)に気をつけなさい」と言われました。 弟子たちは、「先生は、なぜあんなことをおっしゃったんだろう」と首をかしげ、結局、パンを持って来なかったからだろうということに話が落ち着きました。

弟子たちがそのことで互いに議論し合っているのを聞いて、イエスは言われました。「いや、そんなことではありません。まだわからないのですか。なんとものわかりの悪い人たちなのでしょう。 目も耳も持っているのに、見えも聞こえもしなかったのですか。何も覚えていないのですか。 五つのパンを五千人に食べさせた時、余ったパン切れは幾かごになりましたか。」「十二かごです。」 「では、七つのパンで四千人に食べさせた時は?」「七かごです。」

「それなのに、まだあなたがたは、パンがないのをわたしが苦にしていると思うのですか。」

一行がベツサイダに到着すると、人々が盲人の手を引いて来ました。「どうか、さわって治してやってください」と頼むので、 イエスはその盲人の手を取り、村の外へ連れ出されました。そして彼の両眼につばをつけ、手をあてて、「どうですか、何か見えますか」とお尋ねになりました。 男はあたりをきょろきょろ見回しながら、「は、はい、見えます。人が見えます。ぼんやりしていますが……。まるで、木が歩いてるみたいです」と答えました。 イエスはもう一度、両眼におさわりになりました。男はじっと見つめていました。するとだんだん視力が回復し、すべてのものがはっきり見えるようになりました。

イエスは男を家族のもとへ帰し、「村へは行かないように」と注意されました。

イエスこそ救い主

イエスの一行はガリラヤを去り、ピリポ・カイザリヤの村々へ行きました。その道々、イエスは弟子たちに、「人々は、わたしのことをだれだと言っていますか」とお尋ねになりました。

「バプテスマのヨハネだと言う者もいれば、エリヤだと言う者もいます。また昔の預言者が生き返ったと言う者もいます」と、弟子たちは答えました。

するとイエスは、「では、あなたがたは、わたしをだれだと思っているのですか」とお尋ねになりました。即座にペテロが、「あなたこそキリスト(ギリシャ語で救い主)です」と答えました。 ところがイエスは、このことをだれにも話してはいけないと、きびしく言われました。

それから、やがてご自分が経験する恐ろしい出来事――長老、祭司長、ユダヤ人の指導者たちに捨てられ、殺され、三日目に復活すること――を弟子たちに話し始められました。 それも、実にはっきりとお話しになったので、ペテロはイエスをわきに呼び、「そんなことをおっしゃるものではありません」といさめました。

イエスはふり返って弟子たちを見ながら、非常にきびしい口調でペテロに言われました。「下がれ、サタン! あなたはただ人間的な見方をして、神のことを考えてみようともしていません。」

それから、弟子たちと群衆とを呼び寄せ、こう言われました。「だれでもわたしについて来たければ、自分中心の生活をやめ、自分の十字架を負って、わたしについて来なさい。 自分のいのちを守ることばかりにとらわれている者は、それを失います。わたしと福音とのためにいのちを捨てる者が、いのちを得るのです。

たとえ全世界を自分のものにしても、いのちを失ったら、何の得があるでしょう。 いのちを買い戻すどんな手だてがあるというのでしょう。 この不信仰と罪の時代にあって、わたしとわたしのことばとを恥じるなら、メシヤであるわたしも、やがて父の栄光を帯びて聖なる天使と共に帰って来る時、そのような者を恥じるのです。」

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マルコの福音書 9:1

9

栄光に輝くイエス

イエスはさらに、ことばをお続けになりました。「ここに立っている人たちの中には、神の国が大きな力を持って来るのを見るまで、生きている人がいます。」

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