マルコの福音書 10:13-31 JCB

マルコの福音書 10:13-31

さて、イエスに祝福していただこうと、人々が子どもたちを連れてやって来ました。ところが弟子たちは、彼らをじゃま者扱いし、追い返そうとしました。

それをごらんになったイエスは、憤って弟子たちをおしかりになりました。「子どもたちを自由に来させなさい。神の国は、この子どもたちのような者の国なのです。追い払うなど、とんでもないことです。 いいですか。よく言っておきますが、小さな子どものように神の国を受け入れる者でなければ、決してそこに入ることはできません。」

それから、子どもたちを抱き上げ、頭に手を置いて、祝福されました。

イエスが道に出て行くと、一人の人が走り寄ってひざまずき、「先生。あなたは尊いお方です。お教えください。天国に入るにはどうしたらよいでしょうか」と尋ねました。

「どうしてわたしを尊いと言うのですか。尊いお方は神おひとりです。 それはさておき、今の質問に答えましょう。守るべき戒めは知っていますね。殺してはならない、姦淫してはならない、盗んではならない、うそをついてはならない、だまし取ってはならない、あなたの父と母とを敬いなさい、という戒めです。」

「はい、先生。私は今まで、それらを一つも破ったことはありません。」

イエスは心から彼に同情して言われました。「あなたには、たった一つだけ欠けたところがあるのです。さあ、家に帰って財産を全部売り払い、そのお金を貧しい人たちに分けてあげなさい。そうすれば、天に宝をたくわえることになるのです。それから、わたしについて来なさい。」

このイエスのことばに、その人は顔をくもらせ、悲しそうに帰って行きました。たいへんな金持ちだったからです。

そのうしろ姿をじっと見ていたイエスは、弟子たちのほうをふり返り、「金持ちが神の国に入るのは、実にむずかしいことです」と言われました。

このことばに、弟子たちはびっくりしました。イエスは、もう一度言われました。「愛する子どもたちよ。財産を頼みとする人が神の国に入るのは、なんとむずかしいことでしょう。 金持ちが神の国に入るよりは、らくだが針の穴を通るほうが、よほどやさしいのです。」

弟子たちはますます驚いて言いました。「そうだとしたら、この世の中で、いったいだれが救われるのでしょう。」(金持ちこそ神から祝福された人だと考えられていたからです。)

イエスは弟子たちをじっと見つめ、「それは、神でなければできません。神には、どんなことでもできるのです」と言われました。

するとペテロが、自分や他の弟子たちが捨ててきたものを数え上げ始めました。「私たちは何もかも捨てて、あなたに従ってまいりました。」

これを聞いて、イエスは言われました。「はっきり言っておきます。わたしを愛するゆえに、また福音を人々に告げ知らせるために、家、兄弟、姉妹、父、母、子、財産をすべて投げ捨てた者は、必ずその百倍の報いを受けます。この地上では迫害されますが、それでも家、兄弟、姉妹、母、子、土地はちゃんと戻ってきます。そればかりか、次の世では永遠のいのちを受けるのです。 今は一番偉く見える者が、その時には一番軽んじられ、今は小さい者と見下げられていても、その時には一番大きい者となる者が多いのです。」

Read More of マルコの福音書 10