ヨエル書 1:1-20, ヨエル書 2:1-17 JCB

ヨエル書 1:1-20

1

ペトエルの息子ヨエルに、主から次のようなことばがありました。

いなごの来襲

イスラエルの長老たちよ、聞きなさい。

すべての者よ、聞きなさい。

一生のうちに、いや、イスラエルの全歴史で、

これから話すようなことを、

聞いたことがあるだろうか。

やがて時がきたら、

このことを子どもたちに話してやりなさい。

この恐ろしい話を代々語り伝えるのだ。

歯のするどいいなごが作物を食いちぎると、

いなごの大群が残りを食いあさる。

そのあとをばったが襲い、

その残したものを、食い荒らすいなごがあさる。

酔いどれどもよ、起きて泣け。

ぶどうがすべて荒らされ、

ぶどう酒がなくなったからだ。

いなごの大群が地を覆う。

数えきれないほどの大群で、

ライオンのような鋭い歯を持った恐ろしい軍団だ。

わたしのぶどうの木を荒らし、

いちじくの樹皮をはぎ取り、幹も枝も白く、

丸裸にしてしまう。

婚約者の死を悲しむおとめのように、泣き悲しめ。

主の神殿にささげる穀物とぶどう酒はなくなり、

祭司たちは喪に服す。

神に仕えるこの者たちの叫ぶ声を聞け。

畑には作物がなく、

どこもかしこも嘆きと悲しみでいっぱいだ。

穀物も、ぶどうも、オリーブ油もなくなった。

あなたがた農夫は衝撃を受けて打ちのめされる。

あなたがたぶどう栽培者は嘆く。

小麦も大麦もなくなったので、

嘆き悲しめ。

ぶどうの木は枯れ、いちじくの木はしおれ、

ざくろは枯れ、りんごの木はしなびた実をつける。

すべての喜びが消えうせてしまった。

悲しみなさい

祭司たちよ、荒布をまとえ。

神に仕える者たちよ、

祭壇の前で夜どおし泣き明かせ。

あなたがたに必要な穀物やぶどう酒のささげ物が、

もうないからだ。

断食を布告し、

聖なる集会に集まるよう呼びかけなさい。

主の神殿に、長老たちと全国民を集め、

神の前で泣き悲しめ。

ああ、恐ろしい刑罰の日がこようとしている。

全能のお方からの破壊がすぐそこまできている。

食べ物が私たちの目の前から消え、

神の神殿では、

喜びも楽しみも終わってしまう。

種は土の中で腐り、納屋や穀物倉もからっぽだ。

穀物は畑で枯れてしまった。

家畜は腹をすかしてうめき、

牧草がないので途方に暮れている。

羊は悲しい鳴き声を上げる。

主よ、助けてください。

暑さで牧草は枯れ、

木々はすべて焼き尽くされました。

野の獣も、水がないので

あなたに助けを求めています。

小川は干上がり、牧場は乾ききっています。

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ヨエル書 2:1-17

2

いなごの軍隊

さあ、エルサレムに警報を鳴らせ。

わたしの聖なる山に警告の角笛を響かせよ。

すべての者よ、恐れおののけ。

主のさばきの日が近づいているからだ。

それは陰うつな暗闇の日、暗雲の重く垂れ込めた日。

なんという大軍か。

山々を夜のように覆い尽くしている。

なんと大きく、何と強力な「民」であることか。

このような民は、

世界が始まって以来見たこともないし、

これから見ることもないだろう。

その行く先々に火の手が上がり、回りにも広がる。

前には、エデンの園のように美しい地が

広がっているが、彼らはそれを根こそぎ破壊する。

まるで小馬のように、すばやく駆け回る。

山々の頂を跳びはねる様子を見よ。

そのざわめきに耳を傾けよ。

まるで戦車の押し寄せる響きか、

野原をなめ尽くす炎の音のよう、

また、戦場に突入する強大な軍隊のようである。

迎える民は、恐怖のあまり青ざめる。

その「兵士」は歩兵のように突撃し、

えり抜きの精兵のように城壁をよじ登る。

列を乱すことなく、まっすぐに進む。

互いに群がることもなく、整然と行進する。

どんな武器も、彼らを止めることができない。

たちまち町に殺到し、城壁をよじ登る。

窓から押し入る強盗のように、家々の壁をもよじ登る。

彼らの前で、地は揺れ動き、天も震え上がる。

太陽と月は光を失い、星も姿を消す。

主はひと声で、彼らを指揮する。

これは主の大軍で、主の命令に従う。

主のさばきの日は実に恐ろしい。

だれが、それに耐えることができるだろうか。

心を引き裂きなさい

だから、主はこう言うのです。

「まだ間に合ううちに、今、わたしのところに戻れ。

心をすべてわたしに向けよ。

断食し、嘆き悲しみながら来なさい。

悪かったと心底から認め、衣を引き裂くのではなく、

心を引き裂け。」

あなたがたの神、主のもとに戻りなさい。

主は恵み深く、あわれみに富んでいるからだ。

親切で、すぐに怒ることはなく、

あなたがたを何とか罰しないでおこうとしている。

だれが知るだろう。

もしかすると、主はあなたがたをそのままにして、

恐ろしいのろいをやめて祝福を下さるかもしれない。

以前と変わらず、

主に穀物とぶどう酒をささげることができるように、

たくさん与えてくださるかもしれない。

シオンで角笛を吹き鳴らせ。

断食を呼びかけ、民を聖なる集会のために集めなさい。

老人も子どもも赤ん坊も、

みな連れて来なさい。

花婿を寝室から、花嫁をその部屋から呼び出しなさい。

神に仕える祭司たちは、民と祭壇の間に立って、

泣きながら祈るがいい。

「神様、あなたの民をお救いください。

あなたに属する者たちなのですから、

異教徒の支配下に置かないでください。

『彼らの神はどこにいるのか。

きっと弱くて、何もできないのだろう』と、

異教徒にあざけられないようにしてください。」

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