ヨブ 記 33:1-33, ヨブ 記 34:1-37 JCB

ヨブ 記 33:1-33

33

そこでヨブさん、私の言い分を聞いてもらいたい。

いったん口を開いたからには、話を続けさせてほしい。

私は腹を割ってほんとうのことを言う。

神の御霊が私を造り、

全能者の息が私にいのちを与えるからだ。

反論できるなら、遠慮しないで反論してほしい。

私はあなたが求めているような、

あなたと神の間に立ち、

双方の代弁者になれる人物だ。

あなたを脅したり、怖がらせたりする人たちとは違う。

私も、あなたと同じ、ただの人間だから。

確かに、あなたは私の聞いているところで、

何度も言った。

『私は潔白だ。罪など犯していない』と。

神は重箱の隅をつつくように、

一つのあらも見のがすまいと目を光らせ、

あなたを敵視しているとあなたは言う。

また、『神は私に足かせをはめ、

ちょっとした動きでも監視する』とこぼしている。

私の答えを言おう。

このように神を悪しざまに言うことこそが、

そもそも罪なのだ。

神は人より偉大ではないか。

神が自分のすることを、

あなたにいちいち説明しないからといって、

なぜ神に文句を言うのか。

神は何度でもお語りになる。

それも、人が深い眠りについたあと、

夜の夢と幻の中で。

神はこのような方法で、

人の耳を開き、知恵と訓戒を授け、

その心を変え、思い上がらないように守り、

罪には刑罰のあることを警告し、

罠に落ちないように守る。

神は、骨は折らないにしても、

人に病気と痛みを送る。

それで人は、生きる楽しみどころか食欲すら失い、

いかにもおいしそうなごちそうでさえ

見向きもしなくなる。

彼はやせ細って骨と皮だけになり、

死の一歩手前に近づく。

しかし、そこに御使いがいて、

友人として彼をとりなし、

彼がいかに正しいかを告げるなら、

神は彼をあわれんでこう言う。

『彼を自由の身にせよ。死なせるな。

彼の身代わりができたからだ。』

すると彼は、子どものように元気になり、

若さを取り戻して健康になる。

彼が祈ると、神はすぐさま答え、

喜んで彼を受け入れ、彼を元の働き場に戻す。

彼は大声で友人に言う。

『私は罪を犯したが、神は釈放してくださった。

私が死ぬのをお許しにならなかった。

これからは光の中で生活しよう。』

神はたびたび、このようにして、

人のたましいを深い穴から引き上げ、

いのちの光の中で生きるようにしてくださる。

ヨブさん、そのことをよく考えてもらいたい。

話すことはまだある。続けて聞いてもらいたい。

これまでのところで何か言い分があるなら、

遠慮しないで言ってほしい。

私はあなたの正しさを認めたいと思っているのだから、

喜んで聞く。

言うことがなければ、

黙って、おとなしく聞いてもらいたい。

これから、あなたに知恵を教えよう。」

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ヨブ 記 34:1-37

34

エリフのことばの続き。

「賢者の皆さん、私の言うことを聞いていただきたい。

われわれは、聞きたい音楽を選び、

食べたい料理を選ぶように、

正しいことには従うという選択をするべきだ。

しかし、まず始めに、

正しいとはどういうことか定義する必要がある。

ヨブさんがこう言ったからだ。

『私は潔白なのに、神はそうでないと言い、

私をうそつき呼ばわりする。

私は罪など犯したこともないのに、

恐ろしい罰を受けているのだ。』

ヨブさんのように尊大な人間が、

ほかにいるだろうか。

何しろ、『神を喜ばせることなど時間の無駄だ』

と言うほどだから、

悪者たちとよほど親しくしていたに違いない。

理解力のある皆さん、私の言うことを聞いてほしい。

神が罪を犯さないことぐらい

子どもだって知っている。

大切なのはむしろ、神が罪人を罰するということだ。

神は絶対に悪を行わず、

正義を曲げないということほど

確かなことがあるだろうか。

ただ神だけが、地上を支配する権威を持ち、

正義をもって全世界を治める。

神がご自分の御霊を取り去ったら、

いのちあるものはみな姿を消し、人は元のちりに帰る。

私のことばに耳を傾け、

これから言うことを理解してほしい。

もし、神が正義を憎むお方だとしたら、

この世を治めることなどできるだろうか。

あなたは、全能の裁判官をとがめるつもりか。

王や高貴な人に向かって、

『おまえたちは不正を働く悪人だ』と言うこの神を、

とがめるつもりか。

神は、どんなに身分の高い者をも

特別に重んじることなく、

貧しい人より金持ちを

多少でもえこひいきしたりしない。

どんな人間も、神が造ったからだ。

彼らはあっという間に死ぬ。

身分の高い者も低い者も、真夜中に突然、

人の手によらないで取り去られる。

神はすべての人の行動に目を注ぎ、

何もかも見通している。

悪人が神の視線から身を隠せるような暗闇はない。

だから、人を神の法廷に引き立てるには、

何か大きな罪を犯すのを待つまでもない。

神は最高権力者を

取り調べることもなく失脚させ、

他の人を代わりに立てる。

彼らのすることを監視し、

一夜のうちにそれをくつがえし、彼らを滅ぼす。

また、公衆の面前で、

彼らを悪者として打ちたたく。

彼らが神から離れてわき道にそれ、

貧しい者の叫びが神の耳に届いたからだ。

神は虐待される者の叫びを聞く。

神が沈黙を守っているからといって、

だれが神を非難できよう。

神は、悪者が支配権をにぎらないようにして、

国を滅亡から救う。

その一方で、いとも簡単に一つの国を葬る。

なぜ、人は神に、

『私たちは罪を犯しましたが、もういたしません』

と言わないのだろう。

あるいは、

『自分がどんな悪いことをしたのかわかりません。

教えていただければ、すぐに改めます』

と言わないのだろう。

神は、あなたの注文どおりに法を曲げるだろうか。

あなたの移り気に合わせて、

宇宙の秩序を変えるだろうか。

答えはわかりきっている。

ヨブさん、知恵ある人なら、

あなたが思慮のない話し方をしているという

私の意見に同意するはずだ。

あんなに神を悪く言ったのだから、

厳罰を受けて当然だ。

あなたは、もろもろの罪に、

背き、傲慢、冒瀆の罪を加えたのだ。」

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