イザヤ書 20:1-6, イザヤ書 21:1-17, イザヤ書 22:1-25, イザヤ書 23:1-18 JCB

イザヤ書 20:1-6

20

アッシリヤによるエジプト征服の預言

アッシリヤのサルゴン王が、司令官にペリシテの町アシュドデを襲わせ、占領させた年のことです。 主はアモツの子イザヤに、腰の荒布を取り、はだしで歩くように命じました。

イザヤが言われたとおりにすると、 主は言いました。「わたしのしもべイザヤが、三年間、裸のままはだしで歩いたことは、わたしがエジプトとエチオピヤに下す恐ろしい災害のしるしだ。 アッシリヤの王はエジプト人とエチオピヤ人を捕虜にし、老人も若者もみな裸のままはだしで歩かせ、エジプトの恥をさらす。 これを見て、エチオピヤの力をあてにし、同盟国のエジプトを頼りにしていたペリシテ人はあわてふためき、口々に言うだろう。『なんということだ。エジプトでさえこのありさまなら、とうていわれわれに勝ち目はない。』」

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イザヤ書 21:1-17

21

バビロン陥落の預言

これは、バビロンについての神のことばです。

ネゲブから吹きつける竜巻のように、

荒野から恐ろしい災難が、

うなり声を上げてあなたを襲う。

主は幻の中で、将来起こる恐ろしい出来事を

私に示しました。

見ると、エラム人とメディヤ人(どちらも、バビロンの東、ティグリス川の東側に住む民)が包囲網に加わり、

あなたがたは略奪され、破壊されています。

バビロンは陥落し、

今までバビロンの仕打ちに泣いていた

国々のうめきは、二度と聞かれなくなります。

私の胃袋はしめつけられ、苦痛で焼けつくようです。

子どもを産もうとする女に苦しみが臨むように、

激しい苦痛が私を襲います。

神の計画を聞いているうちに、

恐怖に取りつかれ、私は失神しそうになりました。

恐ろしさのあまり、体はすくみ、頭はくらくらし、

心臓は早鐘を打つようです。

夜は心地よい憩いの時だったのに、

今は一睡もできず、恐怖に震えています。

見なさい。彼らは宴の準備をしています。

テーブルにごちそうを山盛りにし、いすを並べて、

まさに食べようとするところです。

もうすぐ敵が攻めて来ます。

さあ、急いで盾を取り、戦いの支度をしなさい。

主は幻の中で私に命じました。

「城壁には見張りを立て、

変わったことがあったら大声で報告させなさい。

見張りの者が、

ろばやらくだに乗った二列の騎兵が見えると言ったら、

『それだ』と声をかけてやるのだ。」

私は言われたとおり、城壁に見張りを立てました。

やがて、声を振り絞るようにして、

見張りの者が報告してきました。

「来る日も来る日も、

片時も休まず見張ったかいがありました。

ほら、二列に並んだ騎兵がやって来ます。」

その時、彼らの大きな声が響き渡りました。

「バビロンは倒れた。倒れた。

バビロンの偶像は一つ残らず無残に壊され、

投げ捨てられた。」

脱穀され、ふるいにかけられたユダの人々よ、

天の軍勢の主であるイスラエルの神のことばは、

すべて話しました。

これは、ドマ(エドムのこと。パレスチナ南部の山地。住民はエサウの子孫で、イスラエルとは深い関係にある)への神のことばです。

「だれかがひっきりなしに私に問いかける。

『見張りの人よ、今は夜の何時ですか。

見張りの人よ、今は夜の何時ですか。

夜明けまで、まだかなり間がありますか。』

その見張りの者は言う。

『あなたがたのさばかれる日が、

もうそこまで来ています。神に立ち返りなさい。

そうしたら、もっと良い知らせを聞かせましょう。

神を求めなさい。

そのあとでもう一度、聞きに来なさい。』」

これは、アラビヤについての神のことばです。

「デダンから来た隊商よ、

アラビヤ砂漠に身を隠しなさい。

テマの人たちよ、疲れきった亡命者に

水と食べ物を持って行ってやりなさい。

彼らは抜き身の剣と飛び交う矢、

それに戦争の恐怖から、

やっとの思いで逃げて来たのです。

しかし、主は言います。「もう一年したら、彼らの敵であり、今は絶大な力を持つケダル人の栄光は地に落ちる。 ごくわずかの勇敢な射手しか残らない。」

イスラエルの神である主が、そう語ったのです。

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イザヤ書 22:1-25

22

エルサレム陥落についての預言

これは、エルサレムについてのことばです。

「いったい、どうしたというのでしょう。

だれもかれも、どこへ行こうとしているのでしょう。

屋上に駆け上り、何を見つめているのでしょう。

町中が上を下への大騒ぎになっています。

あれほど繁栄していた優雅な都に、

足の踏み場もないほど死体が転がっています。

勇敢に戦い、戦死したのではなく、

疫病で倒れた人たちの死体なのです。

指導者はわれ先に逃げ、あっさりと降伏します。

住民も脱出を図りますが、途中で捕虜になります。

私を一人にして泣かせてください。

慰めないでください。

同胞が目の前で滅ぼされるのを見て、

どうして泣かずにおられましょう。

ああ、胸の張り裂けそうな悲しみの日。

天の軍勢の主が与える混乱と恐怖の日。

エルサレムの城壁はくずれ落ち、

山々に断末魔の叫びがこだまします。

エラム人は弓の名手、

シリヤ人は戦車をあやつる名人です。

さらに、キル人は盾を並べて逃げ場を絶ちます。

彼らは、最も美しい谷に押し寄せ、

城門の前にあふれます。

神が防御の手を引いてしまったので、

あなたがたは武器を取りに兵器庫へ走ります。

大急ぎで城壁を調べて、

修理が必要な箇所を探し、家々を見て回り、

ある家を壊して城壁を修理する材料にします。

また、二重になっている城壁の間に貯水池を造り、

下の池から水を引きます。

しかし、このような必死の努力も無駄になります。

ずっと前からこのような計画を立てていた神の助けを、

求めなかったからです。」

天の軍勢の主である神はあなたがたに、

悔い改め、罪を犯したことを悲しんで頭をそり、

荒布で作った着物をまとうように

呼びかけました。

ところがあなたがたは、歌と踊りと遊びに興じ、

飲み食いに明け暮れて、言います。

「さあ、大いに飲み、たらふく食べよう。

せいぜい愉快にやろうではないか。

何をやっても同じだ。

どうせ明日は死ぬのだから」と。

全能の主は、『この罪は死ぬまで赦されない』と言います。

天の軍勢の主である神は、

次のようにも語りました。

「さあ、宮殿を管理しているシェブナに言いなさい。

『おまえは岩を掘ってりっぱな墓を造ったが、

いったい自分を何者だと考えているのか。

ああ、勇士よ。

おまえにこんなぜいたくな暮らしを許した主は、

おまえを放り投げ、捕虜として遠くへ連れて行く。

神はおまえを手の中で丸めてまりのようにし、

草木も生えない遠くの不毛の地に投げ捨てる。

ああ、名声をほしいままにした者、国の恥さらしよ。

おまえはそこで死ぬのだ。

わたしはおまえを追放し、

高い地位から引きずり下ろす。

そのあとで、ヒルキヤの子である、

わたしのしもべエルヤキムを召し、

おまえの代わりとする。

彼はおまえの長服を身に着け、

おまえの肩書きと権力を譲り受け、

エルサレムの住民とユダ国民の父となる。

彼に、わたしの民を支配する権威を与える。

彼の言うことは何でもそのとおりになる。

誰ひとりその前に立ちはだかることはできない。

わたしは彼を、わたしの民を支えるための、

しっかり打ち込まれた太い釘とする。

人々は彼に全権をゆだね、彼は家門の誉れとなる。』」

しかし主はやがて、

壁にしっかり打ち込まれたこの太い釘を抜きます。

それはすっぽり抜け落ち、

支えていた物もいっせいにくずれ落ちます。

神がそう語ったからです。

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イザヤ書 23:1-18

23

ツロについての預言

これは、ツロへの神のことばです。

「遠い国から来るタルシシュの船よ、

なくなった母港のために泣きなさい。

キプロスで聞いたうわさは全部ほんとうだったのです。

どこも死の静寂が覆っています。

海の向こうから、

また、エジプトとナイル川沿いの地から

品々を運んで来たシドンの船でいっぱいになり、

にぎわっていたかつての貿易中心地は、

今ではひっそり静まり返っています。

海の要塞であるシドンよ、

今はもう子(ツロ。シドンの植民地)がいないのだから

恥じなさい。

エジプトがこのことを聞いたら、

悲しみにくれるでしょう。

ツロの人たちよ、泣きながらタルシシュへ逃げなさい。

もの言わぬ廃墟が、

かつては喜びにあふれていた地の、

ただ一つの名残りです。

輝かしい歴史を振り返り、

遠くにあった植民地の一つ一つを思い出しなさい。

だれが、大帝国を築き上げて

世界貿易の王者にのし上がったツロを、

こんな悲惨な目に会わせたのでしょう。

天の軍勢に命令を下す主が、

その思い上がりをたたきのめし、

人間の偉大さなど取るに足りないことを示そうと、

このようにしたのです。

タルシシュの船よ、

母港がなくなってしまったのだから、

あてもなく航海を続けなさい。

主は海の上に御手を伸ばし、

地上の国々を縮み上がらせます。

この偉大な商都を滅ぼせと命じた神は、

こう語りします。

『ああ、名誉を傷つけられたシドンの娘よ、

二度と小躍りして喜ぶな。

おまえはたといキプロスに逃げ伸びても、

休むことはできない。』

見なさい。

バビロンもアッシリヤ人に滅ぼされ、

野獣の住みかになっています。

彼らはしつこく攻撃して宮殿を壊し、

瓦礫の山にしました。

大洋をわがもの顔で走る船よ、

母港は無残に壊されたのだから泣き叫びなさい。

ツロは七十年の間忘れられます。そのあと別の王が治めるようになって、町は息を吹き返し、娼婦が久しく会わない恋人を捜して、甘い歌を歌いながら通りを歩くように恋の歌を歌います。

七十年たって、主がツロを生き返らせても、ツロは昔のままです。世界中で同じ悪事を重ねるのです。 ところが、ずっとのちになって、その利益は主のために使われるようになり、祭司の食卓を潤し、上等の服で着飾らせるようになります。

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