エゼキエル書 28:1-26, エゼキエル書 29:1-21 JCB

エゼキエル書 28:1-26

28

ツロの君主についての預言

また、次のような主のことばが示されました。

「人の子よ、ツロの君主に言いなさい。」

神である主はこう語ります。

「おまえは身のほどをわきまえず、

自分を神にしてしまうほど思い上がり、

大海に浮かぶ島で神の座についている。

だが、いくら神のようにふるまっても、

おまえは人であって神ではない。

確かに、おまえはダニエルよりも賢く、

どんな秘密もおまえには筒抜けだ。

その知恵と知識を駆使して、

おまえは金、銀、財宝を手に入れ、大きな富を築いた。

そう、おまえの知恵がおまえを大金持ちにし、

高慢にしたのだ。」

それゆえ、神である主はこう語ります。

「おまえは、自分が神のように賢いと言っている。

それで、諸国に恐れられている敵の大軍が、

知恵を自慢しているおまえに向かって剣を抜き、

その栄華を汚す。

海の真ん中の島で、おまえを地獄の穴へ突き落とし、

剣で八つ裂きにする。

それでも、自分は神だと言うのか。

侵略者たちにとっては、

おまえは神ではなく、ただの人間だ。

おまえは外国人の手で、

まるでごみ屑のように、

無造作に殺される。」

わたしがこう言うと、神である主は語ります。

また、次のような主のことばがありました。 「人の子よ、ツロの王のために泣け。

神、主はこう語る、と告げよ。

おまえは知恵に満ち、美を極めていた。

おまえは神の園、エデンのような所にいて、

その服には、最高級の金の台に、ルビー、トパーズ、

ダイヤモンド、かんらん石、しまめのう、碧玉、

サファイヤ、紅玉、エメラルドなど

あらゆる種類の宝石をはめ込んだ飾りをつけていた。

みな、おまえが王となった日に贈られた物だ。

わたしはおまえを、

油注がれた守護者ケルブに任命した。

おまえは神の聖なる山に近づき、

火の石の間を歩いていた。

王となってから、不正が見つかる時まで、

おまえがやったことはみな完璧だった。

しかし、莫大な富に目がくらんで、

おまえは罪を犯したのだ。

そこでわたしは、普通の罪人と同じように、

おまえを神の山から追い出した。

ああ、すぐれたケルブよ。

わたしはおまえを火の石の間から消滅させた。

おまえは自分の美しさを鼻にかけ、思い上がっていた。

栄華のために、自分の知恵を台なしにしてしまった。

それゆえ、おまえを地面にたたき伏せ、

何事が起こったのかと好奇の目をみはる王たちの前に、

おまえの無力さを見せつけたのだ。

おまえは不正な商いをして自分を汚した。

それゆえ、おまえ自身の所業から火を引き出し、

みんなが見ている前でおまえを焼き、

地上の灰としたのだ。

おまえを知っていた者はみな、

その恐ろしい運命に背筋を凍らせる。

おまえは見せしめとして、永久に滅ぼされるのだ。」

シドンについての預言

次のようなことばもありました。

「人の子よ、シドンの町にこう預言せよ。」

神である主がこう語ります。

「シドンよ。わたしはおまえの敵となり、

わたしの力を現そう。

おまえを滅ぼして、わたしのきよさが示されるとき、

それを見る者はみな、わたしが主であることを知る。

疫病をはやらせ、兵を送って滅ぼす。

傷ついた者たちは町の通りで、

四方から攻め寄せる敵兵に殺される。

その時、おまえはわたしが主であることを知る。

おまえも、他のイスラエルの近隣の国々も、かつてはイスラエルをさげすみ、邪険にしてきたのだが、これからはもう、いばらやとげのようにイスラエルを突き刺したり、引き裂いたりしなくなる。

イスラエルの民は、わたしがその先祖ヤコブに与えた地に再び住むようになる。散らしておいた遠くの国々から、わたしがもう一度、彼らを集めるからだ。こうしてわたしは、国々にわたしのきよさを示す。 彼らはイスラエルに安らかに住み、家を建て、ぶどう畑を作る。こうしてイスラエルをさげすんだ回りの国々がみな罰せられるとき、彼らは、わたしが彼らの神、主であることを知る。」

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エゼキエル書 29:1-21

29

エジプトについての預言

エホヤキン王が投獄されて十年目の第十の月の十二日に、主から次のようなことばがありました。

「人の子よ、エジプトの王と民に預言しなさい。

神である主がこう語る、と告げよ。

川の真ん中にいる巨竜のようなエジプトの王よ。

わたしはおまえの敵となる。

おまえが、『ナイル川は私のものだ。

私が自分のためにつくったのだ』と言っているからだ。

わたしは、おまえのあごに鉤をかけ、

うろこについた魚ごと岸に引き上げる。

おまえを魚もろとも、死ぬまで荒野に放っておく。

遺体を葬る者はいない。

わたしがおまえを野獣や鳥のえじきとしたからだ。

イスラエルがわたしに頼る代わりに

おまえに助けを求めた時、

おまえにはそれだけの力がなかった。

そのことから、おまえたちはみな、

わたしが主であることを知るようになる。

イスラエルはおまえに寄りかかった。

だがおまえは、ひびの入った杖のように折れた。

イスラエルは肩を砕き、痛みのあまりよろめいた。」

それで、神である主は語ります。「ああ、エジプトよ。わたしは軍隊を送っておまえを攻め、人も家畜もみな滅ぼす。 エジプトは荒れはてる。その時、エジプト人は、このようにしたのは主であるわたしだと知る。おまえは、『ナイル川は私のもの。私がつくったのだ』と言っている。 それゆえわたしは、おまえとその川に向かって立ち上がり、ミグドルからセベネ、さらに南のエチオピヤとの国境に至るまで、エジプト全地を完全に滅ぼす。 四十年間、誰ひとり、獣一匹さえエジプトを通らないだろう。もちろん、住む者もいなくなる。 エジプトばかりか周囲の国々も荒廃させ、町々も四十年間、荒れ放題にする。わたしはエジプト人を他の国々に追い散らす。」

主は語ります。「四十年が過ぎたら、エジプト人を散らされていた国々から連れ戻そう。 エジプトの富を回復し、彼らが生まれ育った地、南エジプトのパテロスに帰らせる。だが、もうエジプトは、何の影響力もない小国となる。 すべての国々の中でも最小の国となり、二度と他の国の上に立つこともない。今までのような大国には決してなれない。 イスラエルも、二度とエジプトに助けを求めたりはしない。助けを求めようとするたびに、以前の苦い失敗を思い出すからだ。こうしてイスラエルは、わたしだけが神であることを認めるようになる。」

エホヤキン王の捕囚から二十七年目の第一の月の一日、次のような主のことばがありました。 「人の子よ。バビロンの王ネブカデネザルの軍隊がツロを激しく攻撃した。兵士たちは、土をいっぱい入れた重いバケツを載せて運んだために頭がはげ、肩は包囲攻撃に使う石の重さですりむけ、手にはまめができた。そうまでしても、ネブカデネザル王は何の戦利品も得られず、兵士たちに何も報いることができなかった。」 そこで、神である主は語ります。「わたしは、バビロンの王ネブカデネザルにエジプトの地を与えよう。彼はエジプトの財宝を取り上げ、すべての物を奪って部下への報いとする。 そう、わたしは、エジプトの地を報酬として彼に与える。彼はツロで十三年間、わたしのために働いたからだ。」このように主が語ります。

「やがて、わたしがイスラエルに、昔の栄えを回復する日がくる。その日には、イスラエルの発言が重視される。こうしてエジプトは、わたしが主であることを知る。」

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