ダニエル書 4:19-37, ダニエル書 5:1-16 JCB

ダニエル書 4:19-37

ダニエルによる夢の解釈

その時ダニエルは、しばらくの間、その夢の意味にがくぜんとして、おびえてひと言も口をきけなかった。ついに、私が口を開いた。「ベルテシャツァル、恐れることはない。夢の意味を話してくれ。」ダニエルは答えた。「この夢の示していることが、王にではなく、王の敵に当てはまるのならよろしいのですが……。 夢でごらんになりました木、青々とした葉を茂らせ、みなが食べても足りるほど実をたわわにつけ、その陰には野獣が住まい、枝には鳥がいっぱいに宿り、世界中の人々に見えるように天にまで達した高い木は、王ご自身でございます。あなたは強く、大きくなり、その偉大さは天にまで達し、ご支配は地の果てにまで及びます。 しかし王は、神の使いが天から降りて来て、こう言うのをお聞きになりました。『この木を切り倒して滅ぼせ。ただし、切り株と根は若草に囲まれたまま地に残し、鉄と青銅の鎖をかけておけ。天の露にぬれさせ、七年間、野の動物たちといっしょに草を食べさせよ。』 王様。これはいと高き神がお定めになったことですから、必ず起こります。 国民があなたを宮殿から追い出します。あなたは動物のように野に住んで、牛のように草を食べ、背中は天の露でぬれるでしょう。いと高き神が人間の国々を支配し、お選びになった者に支配権を与えるということを、王が悟るまでの七年間、このような生活が続きます。 ただし、切り株と根とは地に残されました。その意味は、天の神が支配しておられることを王が悟った時、国は戻って来るということです。 ネブカデネザル王よ、お願いです。どうぞ、罪を犯されませんように。正しいことを行い、貧しい者をあわれんでください。そうすれば、あるいは神の赦しがあるかもしれません。」

夢の成就

ところが、これらのことがみな私の身に起こった。 この夢を見てから十二か月後、私はバビロンの王宮の屋上を歩きながら、 こう言った。「私は自分の力で、この美しい都を、王宮のある町、帝国の首都に建て上げたのだ。」 このことばを語り終えないうちに、天から声があった。「ネブカデネザル王よ。あなたに宣告する。あなたはもう、この国の王ではない。 宮殿から追い出され、七年間、野の動物たちと共に住み、牛のように草を食べるのだ。それでやっと、神が人間に国々を分け与え、お選びになった者に国を与えることを悟るだろう。」 そのことは、すぐ実現した。私は宮殿から追われ、牛のように草を食べ、体は露でぬれ、髪の毛はわしの羽のように長くなり、爪は鳥の爪のようになった。

七年目の終わりに、私は天を見上げた。すると正気に戻ったので、いと高き神を賛美し、礼拝した。そして、永遠に生きておられる方、その御国の支配が代々限りなく続くお方をほめたたえた。

神に比べれば、地上の人間はみな無に等しい。

神は、天の御使いたちの中にあっても、

地上に住む人々の中にあっても、

最善とお考えのことを行われる。

それに対して、

「どうして、こんなことをするのですか」と言って、

神に挑戦したり、神を止めたりはできない。

正気に戻った時、私の名誉も光栄も、王国も戻って来た。参議官も役人も戻って来てくれたので、私は以前にもまさる栄誉に包まれ、王位を確立することができた。 ここに今、私、ネブカデネザルは、その行うことがすべて正しく善である方、すべての者をさばく方、天の王を賛美し、ほめたたえる。このお方は、思い上がって歩む者を取り、ちりの中に押し込むことができる。

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ダニエル書 5:1-16

5

壁に書かれた文字

ベルシャツァル王は、千人の高位高官を招いて大宴会を催し、ふんだんにぶどう酒をふるまいました。 王はぶどう酒を飲みながら、ずっと以前、ネブカデネザル王の治世にエルサレムの神殿からバビロンに持って来た、金と銀の杯のことを思い出しました。そこで、この聖なる杯を宴席に持って来るよう命じました。杯が運ばれて来ると、王と王子たち、妻とそばめたちは、金や銀、青銅や鉄、木や石で作られた偶像のために、その杯で乾杯したのです。

すると突然、居並ぶ者たちの目の前に人の手の指が現れ、燭台の向こうの塗り壁に何かを書いたのです。王も確かにその指を見ました。 恐ろしさのあまり、王の顔は蒼白となりひざはがくがくと震えだし、その場に座り込んでしまいました。 王は叫びました。「呪文師、占星学者を呼べ。カルデヤ人を呼べ。だれでも、壁に書かれた文字を読み、その意味を解き明かすなら、王室の栄誉を帯びた紫の衣を着せ、首に金の鎖をかけ、この国の第三の支配者としよう!」 しかし、呼び集められた者のうち、一人としてその文字を読み、意味を解き明かせる者はいません。 王はますます興奮し、恐怖におびえています。居並ぶ高官たちも、うろたえるばかりです。

このことを聞いた王母は、すぐ宴会場に駆けつけ、王に言いました。「王よ、落ち着いてください。そんな顔をしたり、おびえたりするのはおやめください。 あなたの王国には、聖なる神の霊が宿っている人がいるではありませんか。あなたの父上、ネブカデネザル王の時代に、その人は、まるで神のように知恵と理解力に満ちていました。それで父上の治世に、バビロン全土の呪文師、占星学者、カルデヤ人、占い師の長とされたのです。 その人はダニエルという者です。父上はベルテシャツァルと呼んでおられました。その人を召してください。その頭脳は神の知恵と理解力に満ちています。それで、夢を解き明かし、なぞを解き、どんな難問も解決できるのです。あの壁に書かれた文字の意味も教えてくれましょう。」

ダニエルは、すぐさま王のもとに召されました。王はダニエルに尋ねました。「ネブカデネザル王がイスラエルから捕虜として連れて来たダニエルというのは、おまえか。 おまえのうちには神の霊が宿り、知恵と理解力にすぐれていると聞いている。 私の知者や占星学者たちは、あの壁に書かれた文字を読み、その意味を解き明かそうとしたが、できなかった。 おまえは、どんななぞも解くことができるそうだな。この文字を解き明かしてくれるなら、紫の衣を着せ、首に金の鎖をかけ、おまえをこの国で第三の支配者としよう。」

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