サムエル記Ⅱ 7:1-29, サムエル記Ⅱ 8:1-18 JCB

サムエル記Ⅱ 7:1-29

7

神の約束とダビデの祈り

主がついにこの地に平和をもたらし、もはや周囲の国々と戦わなくてもよい日がきました。 そうなった時、ダビデは預言者ナタンを呼んで言いました。「見なさい。私はこんなりっぱな家に住んでいるのに、神の箱は天幕に置かれたままだ。」するとナタンは言いました。 「どうぞ、お考えのままになさってください。主があなたとともにおられるのですから。」

その夜のことです。主はナタンに言われました。 「わたしのしもべダビデに、わたしのために家を建てる必要はない、と言いなさい。 わたしは神殿には住まない。イスラエル人をエジプトから連れ出した日以来、わたしの家はずっと幕屋(神のための天幕)だった。 そのことで、イスラエルの指導者や民を牧する者たちに不平をもらしたことは一度もない。『どうしてりっぱな神殿を建ててくれないのか』と言った覚えもない。

さあ、わたしのことばをダビデに告げなさい。『わたしは、牧場で羊を飼う、ただの牧童にすぎなかったあなたを、わたしの民イスラエルの指導者としたのだ。 どこへでも、あなたとともに行き、敵を滅ぼした。また、あなたの名声をいっそう高めた。あなたの名は世界中に知れ渡るだろう。 ここがイスラエル人の母国だ。もう、二度とこの地を離れることはない。ここはわたしの民の地だ。あの士師たちが治めた時代のように、わたしを知らない外国人に圧迫されることもない。もう、戦いを挑んでくる者もいない。あなたの子孫は、代々この地を治めるだろう。 あなたが世を去っても、息子の一人を王座につかせ、わたしは王国を強固にしよう。 彼が、わたしのために神殿を建てる。王国は永遠に続き、 わたしが父となり、彼が息子となる。もし彼が罪を犯せば、外国人を用いて罰する。 しかし、先の王のサウルにしたように、愛と恵みを取り去ったりはしない。 あなたの家系は、永遠にわたしの王国を治める。』」

ナタンはダビデのところへ戻り、主のことばをそのまま伝えました。

するとダビデは、幕屋に入って主の前にひざまずき、祈りました。「主なる神よ。私のように取るに足りない者に、どうしてこれほどまでの祝福を下さったのですか。 そして今、これまでの祝福に加えて、私の王朝が永遠に続くと約束してくださいました。主の寛大さは、人間の標準をはるかに超えています。 このうえ、何を申し上げることができましょう。あなたは私がどのような人間か、すべてご存じです。 そして約束のために、なおお心のままに、これらすべてを行ってくださいます。 なんと偉大なお方でしょう。あなたのような方は、ほかに知りません。あなたのほかに神はいません。 地上のどこを探しても、イスラエルほど祝福を受けた国はありません。あなたは栄光を現すために、ご自分が選んだ民を助け出してくださったのです。エジプトとその神々を滅ぼすために、大いなる奇跡を行われました。 あなたはイスラエルを、永遠にご自分の民として選び出し、私たちの神となられたのです。

主よ、このしもべとその家への約束を果たしてください。 どうか、イスラエルをあなたの民として確立してくださるとき、また、ダビデ王朝をあなたの前に堅く立ててくださるとき、永遠にあなたのお名前があがめられますように。 天地の支配者、イスラエルの神よ! 永遠に続く王朝の初代の王として、このしもべを立てるとはっきり言われました。そのため、私は大胆にも、それをお受けするこの祈りをささげることができるのです。 あなたこそ神であられ、おことばにうそはありません。私のような者に、これほどすばらしいことを約束してくださった主よ、 どうぞ、おことばどおりに事を運んでください。このしもべとその家をいつまでも祝福してください。この王朝が、あなたの前にいつまでも続きますように。主なる神よ、それがお約束なのですから。」

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サムエル記Ⅱ 8:1-18

8

ダビデの勝利

そののち、ダビデはペリシテ人の大きな町メテグ・ハアマを奪い取り、彼らの心をくじきました。 また、モアブの地を襲った時には、捕虜を列に並ばせたうえ、地面に伏させ、各列の三分の二の者を殺し、残り三分の一を助けました。助かったモアブ人はダビデのしもべとなり、毎年、貢ぎ物を納める者になりました。

ダビデはまたユーフラテス川での戦いで、レホブの子、ツォバの王ハダデエゼルの軍を打ち破りました。ハダデエゼルが勢力を挽回しようと攻めて来たからです。 ダビデは騎兵千七百と歩兵二万を捕縛し、さらに、百頭だけ残して、戦車用の馬の足の筋をすべて切りました。 また、ハダデエゼルの援軍としてダマスコから参戦したシリヤ人二万二千人を打ちました。 それでダビデはダマスコに守備隊を置き、シリヤ人はダビデに服従し、毎年、貢ぎ物を納めるようになりました。このように主は、ダビデの行く先々どこででも勝利をもたらしたのです。 ダビデはハダデエゼルの家臣たちが持っていた金の盾を奪い、エルサレムに持ち帰りました。 また、ハダデエゼルの町ベタフとベロタイから奪った大量の青銅も持ち帰りました。

ハマテの王トイは、ダビデがハダデエゼルの軍を破り、大勝利を収めたことを聞くと、 その子ヨラムを使者に立て、祝いのことばを伝えました。ハダデエゼルとトイとは敵対関係にあったのです。ヨラムはダビデに金、銀、青銅の器を贈りました。 ダビデはそれらを全部、シリヤ、モアブ、アモン、ペリシテ人、アマレク、ハダデエゼル王から奪い取った金銀とともに主にささげました。

ダビデの名声はいよいよ高まりました。ダビデは帰還すると、塩の谷でエドム人一万八千を打ち滅ぼし、 エドム中に兵を駐屯させました。エドム人はみな、イスラエルに貢ぎ物をささげるしもべとなったのです。これもまた主が、行く先々で勝利を与えたことの一つです。

ダビデは公正にイスラエルを治め、だれに対しても公平でした。 軍の総司令官はツェルヤの子ヨアブ、主の書記官はアヒルデの子ヨシャパテでした。 アヒトブの子ツァドクとエブヤタルの子アヒメレクは祭司の長、セラヤは王の秘書官、 エホヤダの子ベナヤは護衛隊長、ダビデの子たちは側近を務めました。

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