歴代誌Ⅱ 2:1-18, 歴代誌Ⅱ 3:1-17, 歴代誌Ⅱ 4:1-22, 歴代誌Ⅱ 5:1 JCB

歴代誌Ⅱ 2:1-18

2

神殿建設の準備

ソロモンは、今こそ神殿と王宮を建てる時だと考えました。 この工事には、労働者七万人、山で石を切り出す者八万人、監督三千六百人という大人数が必要でした。 王はツロの王フラムに使者を立て、ダビデが宮殿を建てた時のように、杉材を船積みで送ってくれるように頼みました。

王はこうフラム王に伝えました。「私は主のために神殿を建てるつもりです。そこで、香り高い香をたき、特別な供えのパンを並べ、毎日朝と夕の二回、また、安息日や新月の祝い、そのほかの例祭のたびに、焼き尽くすいけにえをささげようとしています。神がイスラエルに、このことを望んでおられるからです。 私たちの神は、ほかのすべての神々にまさる偉大な神ですから、神殿は壮大なものにしなければなりません。 しかし、いったいだれが、この神にふさわしい家を建てることができるでしょう。いと高き天でさえ、主をお受け入れするのに十分でないなら、主のために神殿を建てることを許されている私は、いったい何者でしょう。そこは、主を礼拝する場所となるのです。 そこで、私のもとに金、銀、青銅、鉄などの細工に熟練した技術者を送っていただけないでしょうか。また、紫、紅、青の布を織る織物師や、父ダビデが選んだユダとエルサレムの職人といっしょに働く、熟練した彫り物師もお願いしたいのです。 それから、レバノンの森に生えている杉、もみ、びゃくだんの木材を送ってください。貴国の人々は、木を切ることでは天下一品です。もちろん、こちらからも応援を出しますから、手伝わせてください。 計画中の神殿は途方もなく大きく、壮麗なものですから、大量の木材が必要です。 働いてくれる人々のために、私は小麦粉二万コル(四千六百キロリットル)、大麦二万コル、ぶどう酒二万バテ(四百六十キロリットル)、オリーブ油二万バテを支払います。」

フラム王はソロモンに答えました。「主はご自分の民を愛しておられるからこそ、あなたを王となさったのです。 天と地を造り、ダビデ王に知恵と悟りに満ちた賢い子を授けて、神殿と宮殿を建てさせてくださるイスラエルの神がほめたたえられますように。 さて、ご要望の件ですが、この者の右に出る者はないという熟練工の長、フラム・アビを差し向けましょう。最高に頭のきれる人物で、 母親はイスラエルのダン出身のユダヤ人で、父親はツロの人です。金、銀、青銅、鉄、石の細工に腕をふるうことはもちろん、木工、織物の技術にも秀でています。さらに、紫と青の亜麻布や真紅の布を染める技術者であり、加えて、熟練した彫り物師、すぐれた創案者でもあります。彼は貴国の職人や、私がお仕えした父君ダビデ王が任命した人々といっしょに働いてくれるでしょう。 どうか、お約束の小麦、大麦、オリーブ油、ぶどう酒を送ってください。 こちらでは、お入り用なだけレバノンの山から木材を切り出し、いかだに組んで、海路でヨッパまで運びましょう。そこからは、そちらが陸路でエルサレムまで運搬してください。」

ソロモンは父ダビデと同じように、イスラエルにいる外国人全員の人口調査を行い、十五万三千六百人いることがわかりました。 そのうち七万人を一般労働者、八万人を山で石を切り出す者、三千六百人を現場監督にしました。

Read More of 歴代誌Ⅱ 2

歴代誌Ⅱ 3:1-17

3

神殿の建設

ついに神殿の建設が始まりました。敷地はエルサレムのモリヤ山上で、ここは、かつて主がソロモンの父ダビデに姿を現したエブス人オルナンの打ち場があった所です。ダビデはかねて、そこを神殿の建設予定地にしていました。 工事が始まったのは、ソロモン王の治世第四年、第二の月の二日でした。

まず神殿の土台は、長さ六十キュビト(約二・六メートル)、幅二十キュビト(八・八メートル)。 屋根つきの玄関は、神殿の幅と同じ二十キュビトの長さで、内側の壁と天井には純金を張りつめました。屋根の高さは百二十キュビト(約五・三メートル)。 神殿の主要部は糸杉で覆い、純金を張りつめ、なつめやしの木と鎖を彫刻しました。 壁の内側はより美しさを増すために、宝石で飾りました。ここで用いた金はパルワイム産の最上のものです。 神殿内は、壁も、梁も、扉も、敷居も金を張りつめ、壁にはケルビム(天使を象徴する像)を刻みました。

神殿の奥に、二十キュビト四方の至聖所(神の箱を安置する部屋)がありました。ここにも、六百タラント(二十・四トン)の金を張りつめました。 五十シェケル(五百七十五グラム)の金の釘を使い、階上の部屋も金を張りました。

一番奥の至聖所に、王はケルビムを二つすえ、それにも金をかぶせました。 この像は床の上に立ち、顔を部屋の外に向け、一方の壁からもう一方の壁まで翼をいっぱいに広げていました。 王はまた、至聖所の入口に、ケルビムの縫い取り模様のある青と紅の亜麻布製の幕をかけました。

神殿の前には、二本の柱を立てました。それぞれ高さは三十五キュビト(十五・四メートル)で、さらにその上に、高さ五キュビト(二・二メートル)の柱頭がありました。 その頂に百個のざくろがついた鎖を取りつけました。 それから、この柱を神殿正面の右と左に立て、右側の柱をヤキン、左側の柱をボアズと名づけました。

Read More of 歴代誌Ⅱ 3

歴代誌Ⅱ 4:1-22

4

神殿の器具の製作

王はさらに、長さと幅が二十キュビト、高さ十キュビトの青銅の祭壇を作りました。 それから、直径が十キュビトもある大洗盤も作りました。その縁は床から五キュビトの高さにあり、縁の周囲は三十キュビトでした。 その洗盤は二段に並んだ金属製の牛の背に載っていました。 牛は全部で十二頭で、互いに尻尾を合わせるようにして立っていました。三頭ずつ、それぞれ顔を北、西、南、東に向けていました。 洗盤の厚さは一手幅(七・四センチ)あり、容量は三千バテ(六十九キロリットル)。縁は杯のようにゆりの花をかたどっていました。

次に、いけにえを洗う洗盤を十個作り、五個を右側に、五個を左側に置きました。大洗盤は、祭司たちが体をきよめる時に用いました。

さらに規定に従って、金の燭台十個を念入りに鋳造し、五個を神殿内の右側に、五個を左側に置きました。 机を十個作り、それも五個を神殿内の右側に、五個は左側に置きました。また、金の鉢を百個鋳造しました。 さらに、祭司たち用の庭と大庭を作り、それぞれの入口の扉に青銅を張りました。 大洗盤は神殿の外の南東の隅に置きました。

フラム・アビは、いけにえをささげる時に用いる鉢、十能、灰つぼを作りました。こうして彼は、ソロモン王から受けた仕事を完成させたのです。

それらは、二本の柱、二本の柱の上にある二つの柱頭、柱頭に取りつけられた二組の鎖、二組の柱頭の鎖から垂れ下がる四百個のざくろ、洗盤の台と、洗盤の本体、大洗盤と、それを載せる十二頭の牛、鉢、十能、肉刺し。

熟練した職工のフラム・アビは、ソロモン王のために、これらすべてのものをみがき上げた青銅で作りました。 スコテとツェレダとの間にあるヨルダン渓谷の粘土層の地で、これらのものを鋳造したのです。用いられた青銅はあまりに大量で、重さを量りきれないほどでした。

しかし、神殿内のものは金だけを使いました。祭壇、供えのパンを載せる机などの器具類は全部金で作るよう、王が指示したからです。 燭台、ともしび皿、花模様の飾り、火ばし、芯切りばさみ、鉢、さじ、火皿なども、すべて純金で作りました。神殿の入口と扉、至聖所に通じる扉も、すべて金で作りました。

Read More of 歴代誌Ⅱ 4

歴代誌Ⅱ 5:1

5

神殿の完成と契約の箱の安置

こうして、ついに神殿が完成しました。そこでソロモン王は、父ダビデが主にささげたものを神殿の宝物倉に納めました。

Read More of 歴代誌Ⅱ 5